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はじめに

この記事を書いた理由

「広告費をかけても売上が伸びない」
「転換率を改善しようとしているが、何から手をつけていいかわからない」
「リピーターがなかなか増えない」

これはEC運営の現場でよく耳にする悩みです。

私はこれまで、Shopifyで自社ECを運営する数十社の支援に携わってきました。その中で気づいたことがあります。売上に悩んでいる事業者の多くは、知識が不足しているのではなく、改善の優先順位を間違えているのです。

広告の設定を細かく触っているのに、サイトの転換率が低いまま。商品点数を増やし続けているのに、既存顧客へのフォローアップが手つかず。SEOに時間をかけているのに、広告の計測設定が崩れていて正しいデータが取れていない。

施策を「やっていること」と「効いていること」は別物です。

この記事は、そうした課題を整理し、Shopify自社ECを運営する中級者が「次に何をすべきか」を明確にするために書きました。


自社EC(Shopify)が今なぜ重要か

ECの選択肢は増えています。Amazonや楽天市場に出品するモール型EC、BASE・STORESのような手軽に始められるASP、そして自社でブランドを構築するD2C(Direct to Consumer)型の自社ECです。

その中でも自社ECは今、最も戦略的な選択になりつつあります。理由は3つあります。

1. 顧客データが自分のものになる
モールECでは購入者の連絡先や行動データはプラットフォームに帰属します。自社ECでは顧客のメールアドレス、購買履歴、行動データをすべて自社で保有できます。これはリピート施策やパーソナライズ対応の土台です。

2. 利益率を高く保てる
楽天市場やAmazonへの出店は、売上に対して10〜15%以上の手数料がかかります。自社ECであれば、広告費と決済手数料(3〜4%前後)のみです。売上規模が大きくなるほど、この差は利益に直結します。

3. ブランドの世界観を完全にコントロールできる
商品ページのデザイン、購入後の体験、パッケージング、フォローアップメール——すべてにブランドの意図を込められます。モールでは実現できない顧客体験が、リピートと口コミを生みます。


「売上の壁」が生まれる本当の理由

自社ECで月商100万円を超えるのは、ある程度の集客と商品力があれば達成できます。しかし、そこから300万円、500万円へのステップアップになると、多くの事業者が壁にぶつかります。

なぜか。それは売上の構造が変わるからです。

月商100万円までは「商品が売れる体験」の積み重ねで成長できます。しかし、その先を目指すには、売上を数式として分解し、どこにボトルネックがあるかを特定する「分析力」と、それを改善し続ける「仕組み」が必要になります。

感覚的な運営から、データに基づく改善サイクルへの移行。これが「壁」の正体です。


この記事の読み方・使い方

この記事は実践書です。読み終えた後に「何となくわかった」ではなく、「明日から何をすればいいかが決まる」ことを目指して書きました。

各章の構成は以下の通りです:

読み方の提案:

まず第1章〜第3章を通して読み、自分のECが今どの状態にあるかを診断してください。その上で、最も課題感が強い章から実践に移ることをおすすめします。

一気にすべてをやろうとする必要はありません。1つの章を読んで1つ改善する。その繰り返しが、確実に売上を動かします。

それでは、始めましょう。

著者プロフィール
久保圭樹(くぼ・けいじゅ)
株式会社ネットビジネスエージェント 代表取締役 / Web戦略コンサルタント

2006年に株式会社ネットビジネスエージェントを設立。約20年にわたりWebサイト構築・ECサイト構築・Web広告運用・デジタルマーケティング支援に携わり、累計100社以上の事業者のリード獲得・ECの売上改善を手がける。EC構築代行からEC運営代行・Web広告運用代行までを一気通貫で提供する「ShopValue」を運営。長崎本社・東京・福岡の3拠点体制で、中小ECから成長ブランドまで幅広く支援している。

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